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2005年7月21日 (木)

『バジリスク甲賀忍法帖』 15「波涛獄門」

 霞刑部の最期……なのに、最後の最後で刑部の印象が変わってしまった。

 原作での刑部は天膳の不死身に一瞬は驚くものの、すぐに不敵に笑うと離脱を試みている。
 そこに、刑部の死角からの朱絹の血煙によるマーキングとそれを目印にした天膳の一突きにより倒された。
 つまり、原作で刑部が敗れたのは「運が悪かった」という風に受け取れる。
 これなら強い刑部があまり強くない天膳・朱絹ペアに敗れるのも納得が行く。

 しかし、アニメでは刑部が天膳に気圧されて為す術もなく殺されたようにしている。

 一見、同じ段取りでも、
 「原作」=マーキングされた事を知らずに、いつも通りに離脱を試みたが、不意を付かれた一瞬の連携プレイに敗れる。
 「アニメ」=言葉責めをしながら、ゆっくり近づいてくる天膳に逃げることも反撃もかなわずに殺された。
 と、戦闘の進行速度の緩急の差でキャラの印象が大きく変わることに。
 天膳のサディストの印象が強まるのは結構なのだが、寸鉄も身に付けず敵中に乗り込み暴れる剛の者としてキャラ立てされてきたはずの刑部が、滅形を破られたら戦闘能力ゼロという陣五郎並のキャラに見えてしまう(陣五郎はそのヘタレぶりが魅力)。

 せめて、オリジナルの刑部父子のエピソード中に、刑部が天膳にトラウマを植えつけられたとでもすればまだ納得は出来たかもしれないけれど、乱戦の最中に巻き添えを食った親子に自分たち親子を重ねて見た……というだけではどうにも弱い。

 反面、これらの改変により朱絹は得をすることに。
 朱絹は海に落とされた陣五郎の救出に一瞬躊躇し──
 「原作」=刑部の存在に気づき、(どうせ助からない)陣五郎を見限り、陣五郎の仇討ちに移行という非情のポジティブシンキング。
 「アニメ」=海に飛び込むも、時既に遅く手の中で溶けてしまった陣五郎に落涙。
 そして、その怒りを持って刑部を攻撃。

 と、アニメでは朱絹の情の深さを強調。
 美形かつ年下の小四郎を気遣うのは女性としては当たり前の心理だが、面白人間の陣五郎にまで優しさを見せたというのはポイントが高い。

 ただでさえ、我侭な主人(朧)やイってしまっている上司(天膳)に苦労しながらも文句一つ言わない健気な女という風に描かれている上に、さらなるダメ押し。
 今後のエピソードを考えると、朱絹株は上がりこそすれ下がる要素は無い。

 ……もしかして、全女性キャラ中、朱絹が一番スタッフに愛されている?

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