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2005年9月18日 (日)

『雪の女王』17「あの女はろくでなし」

 相変わらず、女の情念が絡むと出崎監督はノリノリ。
 どう見てもヘレーネの頑張りは純粋に息子のためというプラス思考のものではなく、シングルマザーとしての意地の産物だろう。必死にためたお金を前に静かに涙を浮かべる辺り、彼女の複雑な心境がよく出ている。
 また、ヘレーネが川に落ちたと聞いて、普段は彼女を煙たがっていた同僚のおばさん連中がおっとり刀で川に飛び込んで行く。そしてヘレーネを助けたのは彼女を「ろくでなし」と言い捨てたおばさんだったというのが心憎い。葬式シーンでの「いくらろくでなしでも死んでしまうことはないのに」という減らず口も合わせて、おばさんたちのヘレーネへの複雑な感情(彼女の生き方を評価する故のやっかみ)が見えてくる。
 最後にヘレーネが待ち続けた男が登場することで、彼女自身の意地は見事昇華されるわけだが、それが残された息子にとって、本当に良いことかどうかは別問題。元より、命数を磨り減らしてまでやった息子の教育も息子のためというよりも、別れた男のためという意味合いが強い。
 ヘレーネが最期まで母とならずに女のまま死んだということを幼い息子が理解出来ていないのは、幸福とも言えるし不幸とも言える……。

 

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