2005年11月10日 (木)

『魔法少女リリカルなのはA's』06「それは小さな希望なの(後編)」

 語られるヴォルケンリッターとはやてとの出会い。
 前作のフェイト。SS02のリニス、アルフ。そして、なのはA'sでの杖ズに引き続き、都築節得意の「健気な人外シチュエーション」が冴え渡り、完全にヴォルケンリッターたちが主役へと躍り出る。
 特に一番はやてに懐いているヴィータが美味しい。疲労困憊で前のめりに倒れつつ「痛くない、こんなのちっとも痛くない」と立ち上がり、「帰ったら、きっとあったかいお風呂とはやてのごはんが待ってんだ。優しいはやてがニコニコ待っててくれるんだ。そうだよ、あたしはスッゲー幸せなんだ。……だから、こんなの全然痛くねー」と再びリンカーコア回収に向かう様ときたら。
 一話で、ヴィータがなのはの攻撃に激怒したのも『はやてにもらった大事な騎士服を破られた』という事情を考えれば納得も行くし、ヴィーダのはやてへの愛情の深さもよくわかる。
 主のために、敢えて主の唯一の『お願い』を破る道を選んだヴォルケンリッターは、前作のフェイト同じく『話しても仕方が無い』状況。自分に可能な唯一にして最期の手段を最大限の努力で遂行するしかないほど追い詰められているわけだから。
 ヴォルケンリッターたちの必死の描写が描かれている反面、なのは陣営はどうにも戦う(関わる)理由が弱く、ヴォルケンリッターたちの邪魔をする敵役にすら見えなくも無い。ヴォルケンリッターたちが、はやてのために必要以上に他人への迷惑をかけないというスタンスを貫いているから尚更、そういう印象が大きい。

 ……まあ、冷静に見れば「はやての百合ハーレム?(わんこ含めず)」な状況なわけだが、リーダーのシグナムを筆頭とするヴォルケンリッターのストイックさと、何より主に尽くすのが美徳である「騎士」と設定しているがゆえに、ハーレムや擬似家族モノ特有の胡散臭さを感じさせないようにしているのが巧い。

 また、騎士服ははやてのデザインという事実が判明したわけだが……ヴィータのゴスファッションははやての趣味なのか? ヴィータの普段着は活動的なものばかりで、おそらくはこちらが彼女自身の趣味。だからこそ、はやてはヴィータに可愛い服を着せたいのかもしれない。
 しかし、食事シーンの握り橋、お風呂シーンでのはやてへの眼差し、ぬいぐるみを買ってもらった時の嬉しそうな顔、そしてボロボロになりながらもはやてのためにリンカーコアの回収に勤しむ姿……ヴィータはこの一話だけで、相当にキャラが立った。
 果たして、はやて、すずかといったメインキャラは彼女に負けない活躍が出来るのだろうか?

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2005年11月 2日 (水)

『魔法少女リリカルなのはA's』05「それは小さな希望なの(前編)」

 冒頭の鬱屈としたはやての語り……。
 なのは(+時空管理局)の執拗な妨害によりベルカの連中は残業続き。すずかを入れての一家団欒の鍋パーティすらご破算なり、はやては昔通りの放置プレイに(すずかがいたことで、なんとか孤独を味わずに済んだが)。八神宅に放置されたままのすっかり準備が出来た鍋と、代わる代わるはやてに電話で詫びを入れるベルカの連中が切ない。
 これでは、なのは陣営の方が邪魔者に見えてくる。
 実際、前シリーズでは「フェイトに一目惚れした」という問答無用の理由があったからともかく、今回はたいした理由もなく成り行きで事件に関わり、好戦性を露にしている(あたし、あの子と一対一だから!)から尚更。このシーンで、クロノとユーノが「マジか?」「マジだよ…」と半ば呆れている描写を入れているのが面白い。スタッフは冷静だ。
 また、フェイトやアルフも妙に戦意が高いけれども、なのはが関わらなければフェイトの性格からして自重するだろうし、フェイトが退けばフェイト一筋のアルフも当然退くだろうから、やはりなのはが主因としか思えない。まあ、なのはに喧嘩を売り、さらに売り言葉に買い言葉を続ける単細胞のヴィータと、それを止めることをせず嬉々として好敵手であるフェイトと戦っているシグナムも悪いのだが。
 一方、わんことシャマルはこの二人よりは状況が読めるようだが、打開策が無いのでずるずると……悪循環。

 そして、初登場の仮面の戦士。思いのほか華奢なのは作画があまりよろしくなかったせいなのか、それとも実は正体が石田医師だからか?(少なくとも、現時点でベルカの連中に顔を隠さなくてはいけない理由があるのは石田医師くらいしかいない)

 ところで、レイジングハートの「出来ます、私のマスターなら」。これはなのはへの信頼というより、レイジングハート自信のプライドの高さ(=私のマスターなら出来て当然)を表しているように思えて仕方がない。この台詞から、前作一話でユーノのオートプロテクションすらかけなかった理由がわかってしまったり。

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2005年10月26日 (水)

『魔法少女リリカルなのはA's』04「新たなる力、起動なの!」

 自分の毛布をきちんとたたむザフィーラの賢いわんこぶりに吃驚。
 寝姿&寝起きのヴィータとか、学校での照れ照れ&高町家でのお座りの仕草も可愛いフェイト(このシーンは高い所が好きなフェイトがなのはに「見下ろされている」という構図が妙に面白かったり)とか、無言でオレンジジュースの取り合いをする執務官&執務官補佐とか、萌えシーンが満載だったものの、冒頭の「賢いわんこ」のインパクトの強さにはかなわない。
 わんこといえば、こいぬフォームを覚えてからすっかりわんこ暮らしが板についてしまったアルフ。高町家からの帰路の尻尾ふりふりを見ると、犬。まさに犬。それも座敷犬。

 本筋としては、治療に消極的なはやてが印象に残る。診察室を出ると直ぐに廊下側に陣取ったのも、中の話を聞かないため……というより、近寄りたくないという描写とも受け取れる。妙に後ろ向きなはやてと悲壮なまでに前向きなベルカ勢(特にヴィータ)との対比は意図的なものなのか?(何事か問いかけるヴィータにはやては首を振っているシーンも挿入しているし)

 そして、今回の一番の見せ場は相変わらず杖ズの総取り。
 なのは&フェイトの新変身シーンというより、レイジングハート・エクセリオンとバルディッシュ・アサルトの新変形シーンと言っても良いくらい。変身開始前のエイミィの「この子たちが望んだの。自分の意志で。自分の思いで! 呼んであげて、この子たちの新しい名前を!」という口上が嫌が応にも盛り上げる。
 ただ、バルがリボルバー式なのは明確なのだけれど、RHはよくわからない。ギミックと遠距離狙撃戦というなのはの戦闘スタイルからするとボルトクション式?
 それと、ベルカ式のカートリッジは市販品?(杖ズがベルカ式に必要な部品番号を指定していたし) 市販のカートリッジでも瞬間的な攻撃力を引き出せるのか、それともシャマルの違法リロードが重要なのか? 
 これらの疑問は次回で判明?

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2005年10月20日 (木)

『魔法少女リリカルなのはA's』03「再会、そしてお引っ越しなの!」

 対ヴォルケンリッターになのはたちを絡ませる理由を、デバイスたちの負けず嫌いと時空管理局側の即応力不足に求めるのはなかなか巧妙。
 ただ、やはり前シリーズの「一目惚れしたフェイトをGETする」という問答無用の理由に比べれば弱いけれど。
 そのなのはとフェイトの本格的な再会。微妙なぎこちない空気はムショ帰りの夫とそれを待っていた妻的か? それから抱きしめあう展開への持って行き方もなかなか繊細、いきなり抱き合わない辺りが心憎い。注目点は、なのははフェイトの腰に手を回し抱くという密着度の高い抱きしめ方を無印13話に引き続き披露。こういう荒業を無意識にやってのける所がなのはの怖い所。
 そして、副題にも出ている「お引越し」。すずか、アリサとフェイトの初対面。アリサがこいぬ形態のアルフに覚えがあるのはさすが犬好き(そして無印10話の伏線)。別に狼形態でも構わないと思うのだけれど。いくらアリサが頭が良くても、フェイトとアルフの繋がりからなのはと何かがあったことまでは感づいてもそこから「魔法」までは行かないだろうし。
 今回、気になった点は八神家の浴室(脱衣所含む)がバリアフリー化されていなかったこと。車椅子と導線が合ってないし浴室の高さはわからぬものの手摺が無いことで、身障者用の埋め込み方の浴室だったとしてもはやてが自力で入浴するのはほぼ不可能。一、二話は車椅子の導線に気を使っていた分浮いている……さすがに資料が無かったか?

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2005年10月14日 (金)

『魔法少女リリカルなのは』(都築真紀/メガミ文庫)

 原作・脚本の都築氏本人によるアナザーストーリー。
 1)10話終盤からのなのはvsフェイトの「最初で最後の本気の勝負」は行われず。
 2)12話の対プレシア戦にはなのは負傷のため参加せず。(当然、「だけど、二人でなら…」「うん! うん!! うん!!!」も無し)また、フェイトの立ち直りのきっかけとなるバルディッシュの「Getset」も無し。
 3)13話のリボン交換という再会の約束無し。
 4)「お姫様抱っこ」「涙を拭いてあげる」「感極まって抱きしめる」以上の主客が逆転。
 5)SS02(第5.5話)のリニス周りの展開。
 と、本編の展開とだいぶ異なるので、違いがわかるマニア以外はこれを読むと混乱する恐れあり。
 また、基本ストーリーやキャラ説明を最小限にし、一イベント特化という二次小説風の作りになっているので、一見さんには辛いかも?
 ファンアイテムとして考えるなら、この作品独特の魔法のシステムや、ミッドチルダの習慣など、アニメでは余り語られなかった点がフォローされているので面白い。

 と、前置きはさておき、一番の感想はというと……

 エピローグの「それはどこから見ても、ごくありふれた友達同士の姿だった」というセンテンスの『友達同士』は『恋人同士』と言わないか、普通!!
 朝チュン後のベットで身を寄せ、見つめあっている二人に対して「ごくありふれた友達」と表現するのはさすがに無理があるだろう。いや、アレが普通というのはそれはそれで素晴らしい世界なのだけれど。
 決闘シーンの終盤からしてイチャついていることもあり、アニメ版よりなのはとフェイトのバカップルが五割増しといったところか?

 ちなみにレイジングハートもA'sバージョン並にお茶目さん。あのタイミングで「Good morning master」なんて話かけるほどフレンドリーな杖だったとは……。

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2005年10月12日 (水)

『魔法少女リリカルなのはA's』02「戦いの嵐、ふたたびなの」

 なのは救援のフェイト組とヴォルケンリッター組の戦力差が二対一→二対三→三対三→三対四→四対四と移り変わっていくことで戦況がひっくり返っていく様が面白い。個々の戦力ではヴォルケンリッター組が上でも数の劣勢を覆すほどの滅茶苦茶な強さではないという辺りのバランスが良い感じ。
 一連の戦いで目を引いたのマスターとインテリジェントデバイスたちの美しき絆。
 シグナムのレヴァンティンを受けバルディッシュをボロボロにしながらも第一線を死守し続けたフェイト。バルディッシュがそれでも頑張れる子であることは前シリーズの12話の名シーンで熟知しているわけだから、当然。(ダメージを受けつつもフェイトの防御を欠かさない辺り健気なバル)また、この信頼関係はクライマックスのなのはとRHにもかかっているのだろう。
 そのRH。「Trust me my master」は卑怯。半壊状態ながらも最後の切り札たる役目を果たそうとするRHと、シャマルのえげつない攻撃を受けつつも、それでも死力を振り絞ってスターライトブレイカーを撃つなのは。主従揃って男前。
 しかし、シャマルの遠隔心臓掴みはエグイというか、暗殺手段としては回避しようが無いとんでもない技。胸から手が生えているという映像的インパクトも大きいし……。おかげで敵が目の前にいることを忘れて驚愕の叫びを上げつつなのはの元に向かおうとするフェイトという珍しいものを見れたわけだが。(ヴィータ戦時のなのはを一顧だにしない冷静さと好対照)

 戦闘以外で感心したのは八神家の生活導線がちゃんと車椅子前提のものにしてあること。一話ではやてが車椅子からベットに移る動きがリアルだったことからも想像しえたけれど、相変わらずこのスタッフは地味な所も丁寧に作る。(その代わり、普通の萌えシーンは前作と同じく手を抜くのだろうか?)

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2005年10月 5日 (水)

『魔法少女リリカルなのはA’s』01「はじまりは突然になの」

 第一話から萌える友情と燃える戦闘で全力全開。
 前作では「魔法少女」というタイトルゆえか初期の話にはやや迷いが見えたものの、今回はなのはの最大の特徴である火力、すなわち「魔砲少女」であることを前面に押し出した作り。
 魔法少女モノとしては異常、バトルものとしても高レベルな殺陣は二期でも健在。なのはが燃えアニメと成立しているのは一重によく練られ、かつ動画をケチらない殺陣のおかげ。今回のなのは対ヴィーダ戦も、半ばハンマーに振り回されるようになりながら戦うというヴィーダの戦法がユニーク。まあ、ゴスロリ服を着て、得物がハンマーという時点で既にインパクト勝ちしているわけだが。
 また、前作よりよく喋るようになり(そのためか字幕付)なのはをサポートするRH。ボロボロになりつつもプロテクションをかける様は、相変わらずの健気さで杖萌えも満足する仕上がり。
 そして、何より前作での実質的な主人公であるフェイト。
 OP・EDのなのはとの仲良しっぷりも前作ファンには感涙ものだが、前作最終回での「だから、なのはを私を呼んで。なのはに困ったことがあったら今度はきっと私が助けるから」という約束そのものシチュエーションでの登場。さらにヴィーダの「仲間か?」の問いに怒りを押し殺した声での「友達だ」とまさに千両役者。背後にいるなのはを気遣う言葉を掛けずに、じっとヴィーダを見据える様子からして、なのはを傷つけたヴィーダへの怒りの程が伺い知れる。

 第一話から大満足なのだけれど、一気に期待値が高まった分、最終回が綺麗に追われるか? という不安に襲われるのはある意味贅沢な悩みか? 前作の最終回は珠玉の出来だった故に、あれを越えるのは難しそうだけれど……。

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